大栃葛橋の人柱

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香美市物部町

七百年ほど前のこと、物部川(旧槇山川)には橋が無く、渡ることが出来なかった。利勝という尼法師がこの村の不便な話を聞き、いろいろ考えた末に葛のつり橋を架けようといい、両岸の人々も必死で働いたが、橋台をいくら築いても崩れてしまい、あきらめかけていたが、利勝尼は「この橋には人柱をたてるより他に方法はない」と自分が人柱になると言ったが、利勝尼が死んでしまうと誰も橋を作ることを知らないので、ほうびを与えるとおふれを出したところ、一人の男が申し出た。ところが、約束の日が近づくと生まれたばかりの乳飲子を身代わりに置き逃げて行った。涙をのんで乳飲子を人柱として生き埋めにし、人々は念仏を唱え、冥福を祈りながら死に物狂いで日夜を問わず働き、葛橋が完成した。だが、利勝尼は白装束をまとい、人柱になった乳飲子の位牌をしっかりと抱き、眠るように祭壇の前で息絶えていた。

大栃葛橋の人柱

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